SleepyTimeTales-TheTaleOfFattyCoon
寝つかせ話:ふとっちょあらいぐまの物語
著者 アーサー・スコット・ベイリー
翻訳 Kameo
ふとっちょあらいぐまは、とても太っていてまん丸で、まるで毛皮のボールのよう、そこに取っ手ではなく、羽かざりのようなしっぽがついた姿をしていました。しかしまぢかに寄って見てみますと、するどくかがやくふたつの目が、あなたをじっと見かえしているのに、お気づきになるでしょう。ふとっちょ……
2017/12/8
TheWizardOfOz
オズの魔法使い
著者 ライマン・フランク・ボーム
翻訳 武田正代、山形浩生
ドロシーは農夫のヘンリーおじさん、その奥さんのエムおばさんと一緒にカンザスの大草原の真ん中で暮らしていました。家は、建てるための木材をずっと遠くから荷馬車で運んで来なければならなかったので、小さなものでした。四つの壁と、屋根と床が一つずつあって、それで一つの部屋でした。この部屋……
2017/12/8
ThroughTheLookingGlassAndWhatAliceFoundThere
鏡の国のアリス
著者 ルイス・キャロル
翻訳 山形浩生
次のページに示した詰めチェス問題が読者の一部をまごつかせたようなので説明しておくけれど、これは駒の動きだけを考えれば正しく作ってあるのだ。赤と白が交互に順番通り動くという点については、まあ実際より多少は厳密でないところもあるし、女王三つのキャッスリングは単に、三人が宮殿に入った……
2017/12/8
AlicesAdventuresInWonderland
不思議の国のアリス
著者 ルイス・キャロル
翻訳 山形浩生
それは黄金の昼下がり 気ままにただようぼくら オールは二本ともあぶなげに 小さな腕で漕がれ 小さな手がぼくらのただよいを導こうと かっこうだけ申し訳につけて ああ残酷な三人!こんな時間に こんな夢見る天気のもとで どんな小さな羽さえもそよがぬ 弱い息のお話をせがむとは! でも……
2017/12/8
TheTimeMachine
タイムマシン
著者 ハーバート・ジョージ・ウェルズ
翻訳 山形浩生
時間旅行者(と便宜上呼んでおく)はわれわれにとっては難解な事柄を述べ立てていた。その灰色の目は輝き、きらめいて、そしていつもは青白い顔も紅潮して生き生きとしている。火が明るく燃え、銀の百合の中の白熱光からの柔らかい放射が、われわれのグラスの中をきらめきながらたちのぼるあぶくをと……
2017/12/8
DiscourseOnTheMethod
方法序説
著者 ルネ・デカルト
翻訳 山形浩生
もしこの論説が、一度に読むには長すぎると思ったら、6 部に分けてもかまわない。最初のところには、科学に関わるいろいろな考察が書いてある。二番目のところには、著者の見いだした方法の基本的な原理が書いてある。三番目には、この方法から導かれる道徳規則が書いてある。四番目には、著者が神……
2017/12/8
TheChemicalHistoryOfACandle
ロウソクの科学
著者 マイケル・ファラデー
翻訳 山形浩生
ここでの出し物を見にくることで、みなさんはわれわれに大いなる栄誉を与えてくれたわけですから、そのお返しに、このレクチャーではこれからロウソクの化学的ななりたちを示していきたいと思います。自然について考え方を勉強するとき、ロウソクという物理現象に注目するのは、いちばんすぐれていて……
2017/12/8
InterviewWithBrigamYoung
ヤング・インタビュー
著者 ホレース・グリーリー
翻訳 山形浩生
我が友議員たるベルヒゼル博士が、約束にしたがいこの午後、二時に面会することを快諾したモルモン教会の指導者ブリガム・ヤングに会うべく、私を案内してくれた。われわれは当の指導者に戸口で迎えられ、かれの家の中で(三軒所有)最も大きなものの二階にある広間に案内された。そこでわたしはヘー……
2017/12/8
KarlMarxInterview
マルクス・インタビュー
著者 R・ランドール
翻訳 山形浩生
インターナショナルについて何かを調べ出せ、という依頼に応えて、わたしは努力してきた。この団体は現在、非常に難しい状況にある。ロンドンは間違いなくこの団体の本拠地だが、イギリス人たちはおびえており、ジェームズ王が陰謀のあとで何を見ても火薬のにおいをかぎつけてしまったのと同様に、何……
2017/12/8
TalksWithMussolini
ムッソリーニ・インタビュー
著者 エミール・ルードヴィッヒ
翻訳 山形浩生
だれかがわたしにマキャベリのデラックス版をプレゼントしてくれた。これはファシスト国家出版委員会が、いささか追従気味にムッソリーニ首相に献呈して出版したものである。とはいえ、独裁国家がマキャベリの理論に密かに従いつつ「マキャベリ的」ということばを罵倒語として誤用するよりは、専制君……
2017/12/8
GardenCitiesOfToMorrow
明日の田園都市
著者 エベネザー・ハワード
翻訳 山形浩生
反動の皮の下で静かに集結しつつある、新しい力、新しい渇望、新しい目標が、突然視野に飛び出してきた」――J・R・グリーン「イギリス人民小史」第10章 「変化は多くの場合、議論に議論を重ねて怒号がとびかって初めて生じるので、人々はそれが、ほとんどの人がまるで注意を払わなかっ……
2017/12/8
ThesesOnFeuerbach
フォイエルバッハに関するテーゼ
著者 カール・マルクス
翻訳 永江良一
これまであったあらゆる唯物論(それにはフォイエルバッハのものも含まれるのだが)の主要な欠点は、事物や現実や感性が客観あるいは観照という形式のもとでだけとらえれていて、人間的な感性的行動、すなわち実践として、主体的にはとらえられていないということである。それで、行動的側面は、唯物……
2017/12/8
RomancesSansParoles
言葉のない恋歌
著者 ポール・ヴェルレーヌ
翻訳 永江良一
野に吹く風の 息をひそめて ファヴァール それは悩ましげな夢心地 それは恋に焦がれた身の疲れ それは、そよ吹く風に抱きすくめられた 森の身ぶるい それは、灰色の梢のかなた かぼそい声の歌う唱 おお かぼそくも涼やかな囁き それはさえずってはさざめいて 風に乱れる草々の息絶え……
2017/9/5
LeTourDuMondeEnQuatreVingtJours
八十日間世界一周
著者 ジュール・ヴェルヌ
翻訳 SOGO_e-text_library
時は千八百七十二年、フィリアス・フォッグという人がバーリントン・ガーデンズ・サヴィル街七番地に住んでいた。彼自身はいつも人目を避けるようにしていたのだろうが、彼はリフォーム・クラブのメンバーの中で注目に値する人物であった。フィリアス・フォッグは、上品なふるまいをする紳士であると……
2017/8/16
TalesOfTroy-UlyssesTheSackerOfCities
トロイア物語:都市の略奪者ユリシーズ
著者 アンドリュー・ラング
翻訳 永江良一
はるかな昔、ギリシアの西の岸のイタケーという小さな島に、ラーエルテースという王がいた。その王国は小さく山がちであった。イタケーは「海に浮かぶ盾のよう」と言われたが、そう聞くと、あたかも平らな国のごとくに思われよう。だが、当時の盾は、極めて大きく、真ん中が二つの峰のように突きだし……
2017/7/22
SomeLearnedFablesForGoodOldBoysAndGirls
気のよい連中のための学術的寓話
著者 マーク・トウェイン
翻訳 永江良一
かつて森の生き物たちが大会合を開いて、自分たちのもっとも高名な科学者たちの委員会を任命し、森を突破して知られざる未踏の世界に行って、彼らの学校や大学でそれまで教えられてきた事柄が真実であるか検証し、加えて発見を行わせた。それはこれまで種族をあげて取り組んだ計画の中でも、もっとも……
2017/7/22
AddressDeliveredBeforeTheBritishAssociationAssembledAtBelfastWithAdditions
英国科学協会ベルファースト総会での演説
著者 ジョン・ティンダル
翻訳 永江良一
原始人は生まれながらに持っている衝動から、その考えや疑問を早くから自然現象の原因に向けてきました。この同じ衝動が受け継がれ、強められて、今日の科学的活動の動機となっているのです。この衝動に決定づけられて、経験からの抽象化という操作によって、私たちは物理理論を作ってきました。この……
2017/7/22
WhatTheTortoiseSaidToAchilles
亀がアキレスに言ったこと
著者 ルイス・キャロル
翻訳 永江良一
アキレスは亀に追いついて、亀の背中に気持よさそうに座っていました。「それじゃ、あなたは私達の競走路の終点に到着したってことですね?」と亀が言いました。「距離の無限級数からできてるっていうのに?知ったかぶりの連中がそんなことできっこないって証明したはずですが?」「できるさ。」とア……
2017/7/22
DarwinianHypothesis
ダーウィン仮説
著者 トーマス・ヘンリー・ハクスレー
翻訳 永江良一
科学についての思索は、今日では他の人間の行いや思考とは比較できないほど大きく拡大しています。科学が私たちにもたらし、確実に私たちを豊かにしてきた成果はさておき、科学の実験的努力は勢いと裁量を増しており、私たちを向上させ、人類のありようを変えています。私たちは、経験豊富で知識豊か……
2017/7/14
OfTheBalanceOfPower
勢力の均衡について
著者 デヴィッド・ヒューム
翻訳 永江良一
勢力の均衡という考えが、完全に近代の政策のおかげでできたものなのか、それともただこの近年に用語として作り出されただけのものなのか、それが問題なんだ。確かに、クセノフォンは『キュロスの教育』の中で、小アジア諸勢力の連合がメディアやペルシアの勢力増大にたいする警戒から生じたと述べて……
2017/7/14
OfCommerce
商業について
著者 デヴィッド・ヒューム
翻訳 永江良一
人類の大部分は二つの種類に分けられる。一つは思慮の浅い連中で、真理には程遠い。もう一つは深遠な思索家で、真理を越えて突き進む。後者の連中はとても数が少ない。それに付け加えておくと、とても役に立って有益だ。連中は少なくとも手掛かりを示してくれるし、難題にも取り組む。こういう難題に……
2017/7/14
OnLiberty
自由について
著者 ジョン・スチュアート・ミル
翻訳 永江良一
この論文の主題はいわゆる意志の自由ではありません。この意志の自由というのは、哲学的必然という誤った名前をつけられた学説に、不幸にも対立しているものなのですが。そうではなくて、市民的あるいは社会的自由がこの論文の主題なのです。つまり社会が個人にたいし合法的にふるうことのできる権力……
2017/7/14
BriefAccountOfAGeneralMathematicalTheoryOfPoliticalEconomy
政治経済学の一般的な数学理論の簡潔な説明
著者 ウィリアム・スタンリー・ジェボンズ
翻訳 永江良一
1.以下の論文は、経済学の主要問題を数学的形式に変える経済理論の本質を簡潔に述べたものです。経済学は、実のところ、数量に関わっているものなので、その研究対象においてはいつも必然的に数学的であるものなのです。けれども、他のほとんどの科学では非常にうまく応用されてきた強力な表現方法……
2017/7/14
TheInfluenceOfTheRateOfInterestOnPrices
利子率の価格にたいする影響
著者 クヌート・ウィクセル
翻訳 永江良一
私が謹んで批判に供します論題は次のことであります。もし、他のことが同じままで、世界の指導的銀行がその利子率を、例えば通常の水準より1%下げて、それを数年にわたり維持するならば、すべての商品の価格は如何なる制限もなく上昇に上昇を続けることになるだろうということ、そして逆に、もし指……
2017/7/14
TheBeginningOfOwnership
所有権の起源
著者 ソースタイン・ヴェブレン
翻訳 永江良一
世の中に受け入れられている経済理論では、一般に所有権の根拠は所有者の生産的労働であると考えられている。このことは、反省することも問題にすることもなく、財産の法に適った基礎であるとされている。すなわち、有用なものを生産した者が、それを享受すべしというわけである。社会主義者と古典派……
2017/7/14
TheInstinctOfWorkmanshipAndTheIrksomenessOfLabor
ワークマンシップの本能と労働の煩わしさ
著者 ソースタイン・ヴェブレン
翻訳 永江良一
一般に受け入れられている経済理論の決まりきった文句の一つに、仕事は煩わしいというのがある。人はなにはさておき労働によって生産された財貨を得たいと思うが、財貨を生産するための労働は避けたがるというこの公理をめぐっては、多くの議論がなされている。おおむね常識的な意見は、この点につい……
2017/7/14
ApologyOfSocrates
ソクラテスの弁明
著者 プラトン
翻訳 永江良一
プラトンの『弁明』が実際のソクラテスの弁護とどういう関係にあるのか、はっきりさせる手立てはありません。確かに調子や特徴はクセノフォンの記述と一致しています。クセノフォンは『思い出』の中で、「もっと穏便に裁判官の温情を得れば」ソクラテスは無罪になっただろうにと言っています。またソ……
2017/6/8
ThePrince
君主
著者 ニッコロ・マキャヴェリ
翻訳 永江良一
人民をこれまで支配した、また今支配している、あらゆる国家、あらゆる権力は、共和国か君主国のどちらかです。君主国は、一族が長い間不動のものとしてきた世襲のものか、新興の君主国のどちらかです。新興の君主国は、フランチェスコ・スフォルツァのものとなったミラノのような完全に新興の君主国……
2017/6/8
ManifetoOfTheCommunistParty
共産党宣言
著者 カール・マルクス、フリードリッヒ・エンゲルス
翻訳 永江良一
ヨーロッパにはお化けが出ます。共産主義というお化けが。古きヨーロッパのすべての権力が、このお化けを祓うため、神聖な同盟に加わっています。教皇とツァー、メッテルニヒとギゾー、フランスの急進派とドイツの密偵。権力の座にある対抗派から共産主義だと罵られなかった政府反対党がどこにあるで……
2017/6/8
ScienceAsAVocation
職業としての科学
著者 マックス・ウェーバー
翻訳 岡部拓也
あなた方は「職業としての科学」について話してほしいとのことです。わたしたち政治経済学者には学者としての習慣があり、ここでもそれにしたがおうと思うのですが、いつものことながら外的な条件からはじめることにします。この場合、次の質問からはじめましょう。具体的にいって、職業としての科学……
2016/1/4
TheAbolitionOfWork
労働廃絶論
著者 ボブ・ブラック
翻訳 高橋幸彦
人は皆、労働をやめるべきである。 労働こそが、この世のほとんど全ての不幸の源泉なのである。この世の悪と呼べるものはほとんど全てが、労働、あるいは労働を前提として作られた世界に住むことから発生するのだ。苦しみを終わらせたければ、我々は労働をやめなければならない。 それは、「何もす……
2016/1/4
TheBoltedDoor
閉ざされたドア
著者 イーディス・ウォートン
翻訳 陰陽師
心地よいランプの明かりに照らされた書斎を行きつ戻りつしていたヒューバート・グラニスは、足を止めて、暖炉の上の置き時計と腕時計をくらべてみた。 八時三分前。 もう三分もすれば、著名な法律事務所アスカム・アンド・ペティローのピーター・アスカム弁護士が、時間きっかりにアパートの呼び鈴……
2016/1/4
TheTellTaleHeart
暴露させる心臓
著者 エドガー・アラン・ポー
翻訳 李三宝
本当なのです。私は神経質に、それもかなり酷い神経質になっていたのでございます。それは今も続いております。それなのに、どういうわけ理由であなた様は私の気がふれているなどとおっしゃるのでしょうか? 病気のせいで神経が過敏になっていただけのことでございます。私の精神は鈍りも壊れもして……
2016/1/4
TheAssignation
約束
著者 エドガー・アラン・ポー
翻訳 李三宝
追悼 この地にて我を待たなむ! 空ろなるこの狭間にて、我、必ずや君とあい見む (妻の埋葬に立ち会って。 詠人 チチェスターの司教 ヘンリーキング) 何という謎を秘めた不仕合わせな人よ! 己が魂の輝きに戸惑い、燃え立つ青春の炎で己が身を焼き崩してしまうとは! いま一度、空想の世界……
2016/1/4
JiuRokuZakura
十六桜
著者 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
翻訳 武田正代
嘘のよな 十六桜 咲きにけり 伊予の国の和気郡には「十六桜」、あるいは「十六日の桜の木」と呼ばれる有名な大変古い桜の木がある。その木は毎年(昔の太陰暦で)一月十六日に開花し、その日のうちに散る。したがって本来の桜ならば春まで待つところを、その桜は大寒の時期に開花するのである。十……
2016/1/4
YukiOnna
ゆきおんな
著者 ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)
翻訳 山本雅史
怪談:奇妙な事柄の物語と研究 前置き(抜粋) 「雪女」という不思議な物語は、武蔵の国、西多摩郡、調布の農夫によって彼の生まれた村の伝説として、私に語られた。それが、日本語で書物に書かれた事があるかどうかは分からないが、その風変わりな言い伝えは、日本のたいていの地域において、様々……
2016/1/4
AJoke
たわむれ
著者 アントン・チェーホフ
翻訳 おがわ
澄んだ冬の真昼……。 寒波が強まり、パキパキと音がする。ぼくの腕をつかんでいるナージェンカは額にかかるくせっ毛や上唇のうぶ毛が銀色の霜に覆われている。 ぼくらは高い丘に立っている。 ぼくらの足元から一番下までゆるい勾配の平面が伸び、そこは太陽がまるで鏡面に照り返したようだった。……
2016/1/4
DogOfFlanders
フランダースの犬
著者 ウィーダ
翻訳 荒木光二郎
ネロとパトラッシュは、この世で二人きりでした。 彼らは、実の兄弟よりも仲のよい大の親友でした。ネロは、アルデンネ生まれの少年でした。パトラッシュは、大きなフランダース犬でした。どちらも年は一緒でした。けれども、ネロはまだ若く、パトラッシュはもう年寄りでした。彼らは生きている間、ほ……
2016/1/4
Eveline
エヴリン
著者 ジェイムズ・ジョイス
翻訳 高木健
彼女は窓辺に座り、夕暮れが通りをつつんでいくのを眺めていた。頭を窓のカーテンにもたせかけていると、ほこりっぽいカーテンの香りがした。彼女は疲れていた。 人通りはほとんどなかった。通りのはずれの家から出てきた男は、家に向かって彼女の家の前を通り過ぎていった。コンクリートの舗装を歩……
2016/1/4
ACactusPopsOut
サボテンの花ひらく
著者 イエンス・ペーター・ヤコブセン
翻訳 鷺澤伸介
心の中で、知人たちの列を通過させてみたとしよう。すると、いつも見えてくるのは、ある特定の状況に身を置いた、近くも親密でもない人々の姿である。少なくとも、私にとってはそうなのだ。例えば、ある者は、常に挨拶しながら角を曲がっているし、別の誰かは、常に向かいの家に視線を向けながら私の……
2016/1/3
TheAdventuresOfSherlockHolmes
シャーロック・ホームズの冒険
著者 アーサー・コナン・ドイル
翻訳 coderati
シャーロック・ホームズがあの女と言えば彼女のことだった。彼女の話をするのにほかの呼び方を聞いたことはめったにない。彼からすると彼女は女性すべてを凌駕し、その輝きを奪うのである。彼がアイリーン・アドラーに恋愛に似た感情を抱いたというのではない。あらゆる感情、特にその種のものは彼の……
2015/12/24
TheReturnOfSherlockHolmes
帰ってきたシャーロック・ホームズ
著者 アーサー・コナン・ドイル
翻訳 coderati
きわめて異常な説明のつかない状況で起きたロナルド・アデア卿殺人事件に全ロンドンが巻き込まれ、社交界が震撼させられたのは1894年の春のことだった。警察の捜査で明らかになったその犯罪の顛末は既に世間一般に知られていたものの、証拠をすべて挙げる必要がないほど起訴事実が圧倒的だったの……
2015/12/24
Dubliners
ダブリンの人たち
著者 ジェイムズ・ジョイス
翻訳 coderati
今度は彼に望みはなかった。三度目の発作だったのだ。夜毎僕はその家を通り過ぎ(休暇期間だった)、明かりのついた四角い窓を注意深く見た。そして夜毎僕は、同じようにほのかにそして一様にそこに明かりがついているのを見つけた。もし彼が死んだら、と僕は考えた、暗くなったブラインドに映るろう……
2015/12/24
NotesFromUnderground
地下室の手記
著者 フョードル・ドストエフスキー
翻訳 coderati
手記の著者も『手記』そのものももちろん架空のものだ。それでも、一般に私たちの社会が形成された状況を考慮すると、私たちの社会においては、このような手記の作者に類する人物の存在はありうるどころか必然なのである。私はごく最近の時代の特徴的人物の一人を、普通より少し際立たせて、大衆の面……
2015/12/24
TheCrocodile
著者 フョードル・ドストエフスキー
翻訳 coderati
珍しい出来事、というか、人を食った話 年はかくかく見た目はしかじかの一人の紳士がショッピングセンターの鰐に生きたまま全身丸呑みにされた次第とそこから生じたことに関する公正なる物語 ああ、ランベール。ランベールはどこだ?君にはランベールが見えるか?
2015/12/24
EnglandMyEngland
英国、わが英国(1915年版)
著者 デーヴィッド・ハーバート・ローレンス
翻訳 稲富裕介
夢想は現実よりもいよいよ鮮明になってゆく。夢のなかで彼は家に居り、夏の暑熱の午後、囲いのない荒れ地のはずれで、庭の小径を、庭の隅を流れる小川を越えてその荒れ地まで伸ばすために働いていた。彼が野生の芝と蕨を刈ってゆく後には、生傷のような土壌が顔を出した。新たにつくった小径がどうし……
2015/12/24
DaughtersOfTheVicar
牧師館の娘
著者 デーヴィッド・ハーバート・ローレンス
翻訳 稲富裕介
オールドクロスの村に初めて来た牧師は、リンドリー師だった。この小さな村里の家々は、建てられた当初からしばらくは、静かな安息に包まれていて、村人たちは、陽光の注ぐ日曜日になると、田舎道を辿り、田畑を越え、二、三マイルの道のりを歩いて、グレイミードの教区教会へ通っていたのだった。
2015/12/24
OdourOfCherysanthemums
菊の薫り
著者 デーヴィッド・ハーバート・ローレンス
翻訳 稲富裕介
小型機関車第四号が、荒く身を揺すぶり、鋭く軋みながら、荷を満載した七輛の貨車を引いて、セルストンから下ってきた。威嚇するような轟きをともなう速度で、曲り角から出現したそれに驚き、子馬が、底冷えのする午後の風色のなかで朧ろに明滅する、ハリエニシダの茂みから跳び出して、諾足で機関車……
2015/12/24
ThePrussianOfficer
プロシア士官
著者 デーヴィッド・ハーバート・ローレンス
翻訳 稲富裕介
彼らは明け方より、白熱した道──ときおり灌木の茂みが束の間蔭を差すかと思えば、ふたたび赫々とかがやき出る道を、もう三十キロ以上も行軍していた。道の両側には、広大で浅い谷が、熱をひらめかせていて、暗緑色のライ麦の小さい畠が、青く未熟な小麦が、眠っている耕地と牧草地が、そして暗い松……
2015/12/24
TheHorseDealersDaughter
馬商の娘
著者 デーヴィッド・ハーバート・ローレンス
翻訳 稲富裕介
「よう、メイベル、で、お前はこれからどうするつもりだ?」と、ジョーは下卑た軽薄な調子で言った。自分のことは、彼はさほど心配していなかった。相手の返事に耳を傾けるつもりもなく、脇を向いて、煙草のかすを舌先に押し出し、それから唾と吐き出した。彼は何事も想いわずらわなかった──自分の……
2015/12/16
GettysburgAddress-2
ゲティスバーグ演説
著者 エイブラハム・リンカーン
翻訳 katokt
アメリカ ペンシルバニア ゲティスバーグ近くの戦場にて 87年前に、われわれの祖先はこの大陸に新たな国を作り上げました。その国は自由という理念の上に打ち立てられ、全ての人は生まれながらにして平等であるという考えに捧げられていました。 いまわれわれは大きな内戦のさなかにいます。こ……
2015/12/09
AbrahamLincolnPresidentialInauguration
リンカーン大統領就任演説
著者 エイブラハム・リンカーン
翻訳 katokt
1861年3月4日月曜日 アメリカ合衆国の国民のみなさん 政府ができたとのと同じくらい古い慣習に従って、私はあなたがたの前に姿をみせ、短い演説をして、合衆国憲法に規定されている大統領が「職務室で職務に臨むまえの」誓いをたてようと思います。 私は現在、行政の事柄でなんら格別心配で……
2015/12/09
UnitedStatesPresidentialInauguration
アメリカ大統領就任演説
著者 J・F・ケネディ、リンドン・ジョンソン、リチャード・ニクソン、ジミー・カーター、ロナルド・レーガン、ジョージ・ブッシュ、ビル・クリントン、ジョージ・W・ブッシュ
翻訳 katokt
1961年1月20日 今日のわれわれの勝利が、政党の勝利ではなく自由の勝利だということを祝おう。それは、始まりとともに終わりを象徴しており、変化とともに再建を示している。なぜなら、一と四分の三世紀近くも前にわれわれの先祖が定めたものと全く同じ厳粛な誓いを、みなさんと全能なる神の……
2015/12/09
UnitedStatesDeclarationOfIndependence
アメリカ独立宣言
著者 トーマス・ジェファーソン、ジョン・アダムズ、ベンジャミン・フランクリン、他
翻訳 katokt
人類の歴史のなかで、ある国民と他の国民を結びつけてきた政治的なつながりを解消し、世界の国々のなかで自然の法則と神の法則が与えてくれる、独立した対等な立場をとることが必要になる場合がある。その際に人類のいろいろな意見にきちんとした敬意をはらうには、分離へと駆りたてられる原因を述べ……
2015/12/09
ChristmasCarol
クリスマスキャロル
著者 チャールズ・ディケンズ
翻訳 katokt
マーレーは死んだ、これがそもそもの始まりだ。この事実にはまったく疑う余地はない。お墓の記録に牧師、教会の書記、葬儀担当者、喪主のサインがあるから。スクルージももちろんサインした。スクルージの名前ときたら、手をそめることには何でもてきめんの効果があったものだ。……
2015/12/05
TheStrangeCaseOfDrJekyllAndMrHyde
ジキルとハイド
著者 ロバート・ルイス・スティーヴンソン
翻訳 katokt
アターソン氏は弁護士で、いかつい顔をしており、ついぞ笑った顔を見せたことがなかった。話すときも冷たい感じで、言葉少なめにもごもごと話すといった具合だった。背が高くやせており、そっけないものうげな男だったが、どこか憎めないところがあった。内輪の会合で、ワインを口にしたときなどは、……
2015/1/28
TreasureIsland
宝島
著者 ロバート・ルイス・スティーヴンソン
翻訳 katokt
大地主のトレローニーさんやお医者さんのリバシーさんやその他の偉い人たちが、僕にそうするように言ったんだ。宝島のことをはじめから終わりまでなにもかも書いておくようにって。ただしまだ埋められている宝物があるかもしれないから、島の位置だけは隠しておくようにともね。そこで僕はペンをとっ……
2015/1/17
PeterAndWendy
ピーターパンとウェンディ
著者 ジェームス・マシュー・バリー
翻訳 katokt
コドモはみんな成長していくものです、一人を除いては。コドモは、すぐに自分が成長するものだという事がわかるのです。ウェンディが成長するということをわかったのは、このようにしてでした。2才のある日のこと、庭で遊び、花をつんで、それを持ってウェンディがママの所へ走っていきます。そうし……
2015/1/13
PeterPanInKensingtonGardens
ケンジントン公園のピーターパン
著者 ジェームス・マシュー・バリー
翻訳 katokt
もしお母さんに、幼かった頃にピーターパンを知っていたかどうかたずねたら、こう答えるでしょう。「もちろん、知っていたに決まってるじゃないの、かわいい子」。そしてピーターが、その頃やぎに乗っていたかどうかもたずねたら、「なんてばかげたこと聞くの、もちろん乗っていたにきまってるわよ」……
2015/1/13