外から見た女子学寮, ヴァージニア・ウルフ

外から見た女子学寮


羽毛のように白い月が、空を暗くさせずにおく。ひと晩中、栗の花は緑の中に白く咲き、草地のしゃくの茂みは仄明るい。ケンブリッジの中庭を吹く風は韃靼タタールにもアラビアにも届かず、女子学寮ニューナムの屋根の上で、青灰色の雲の中に夢のように消えていく。その中庭をぶらつきたいと彼女が思ったなら、木々の間を自由に歩いただろう。彼女の顔に向き合うのは女の顔だけだから、彼女はきっと、その無表情で無個性な顔を隠さずに、部屋の中を覗くかもしれない。その時刻、そこには、無表情で無個性な、閉じられた白い瞼、指輪をせずシーツの上に伸ばされた手、眠れる無数の女たち。けれど、灯りはあちこちに点いている。

アンジェラの部屋には灯りが二つある、と思うとしたら、それはアンジェラ自身の輝きと、四角い姿見が反射する彼女の輝きのためだ。彼女の全ては完璧に模写されていた――きっと魂までも。なぜなら鏡が描くのは、ぶれることのない彼女の姿――白と金色、赤い上履き、色の薄い髪には蒼い宝石。アンジェラとその鏡像とのやわらかな接触には、波が立つことも影が落ちることもなく、それはまるで、像自身がアンジェラであることを喜んでいるかのようだった。ともあれその瞬間は喜びに満ちていた――夜の中心に鮮やかな絵画が飾られ、小夜さよの闇にほこら穿うがたれる。とても不思議なことに、そこでは、正しさというものが目に見える形で証明されている。この百合は、傷を知らず、恐れを知らず、時間の水面に浮かぶ。像のみで満ち足りているかのような、この鏡像。その思考を裏切って彼女がふと離れると、鏡は像を失い、ただ真鍮のベッドフレームだけを映す。彼女はあちこち動き回って、ばたばたと忙しく家庭の女のようになり、かと思うと次には、口をすぼめて黒い表紙の本に向かい、しっかり理解したとは言いがたい経済学を、指で辿っていくのだった。生計を立てるためにニューナムで学んでいるのは、アンジェラ・ウィリアムズだけだった。彼女は情熱的な礼拝の最中でさえ、スウォンジーにいる父親からの小切手のことや、洗い場で食器を洗う母親のことを忘れることはなかった。物干しロープにかけられたピンクのワンピースを見れば、この百合さえも、もはや水面に浮かぶ無傷の輝きではなく、他の学生と同じようにカードに書かれた名前を持つのだと分かる。

A・ウィリアムズ――月明かりでそう読めるかもしれない。隣に並ぶのは、メアリ、エリナ、ミルドレッド、セアラ、フィービ、そんな名前たちで、四角いカードに書かれてそれぞれのドアにピン留めされている。みな名前であり、名前でしかない。冷たく白い光がそれらをしおれさせ、ごわごわにしてしまうと、その名前たちはもはや、火事を消したり、暴動を鎮圧したり、試験に合格したりする時に、軍隊のように整然と起立するためだけに存在するかのようだった。ドアに留められた名前たちの持つ力など、そんなものだ。それは牛乳屋か女子修道院のようでもあった。タイルや廊下や寝室のドアがあって、隔離のためか規律のためか、ミルクボウルは冷たく清潔に保たれ、リネンの洗濯物が積み上がる。

まさにその時、あるドアの向こうから、やわらかな笑い声が聞こえてきた。気取った音の時計が鐘を打つ――ひとつ、ふたつ。これが時計からの命令なのだとしたら、それは無視されたことになる。火事や暴動や試験は全て、積もる笑いの下に埋もれ、あるいは根こそぎ抜き取られ、深みから湧き上がるような笑い声は、時間や規則や規律をふわりと吹き飛ばしてしまう。ベッドの上にはトランプが散らばっている。サリーは床の上に。ヘレナは椅子に。良い子のバーサは、暖炉のそばで両手を握り締めていた。A・ウィリアムズがあくびをしながら入ってきた。

「だって本当にもう、最悪」ヘレナが言った。

「最悪だね」バーサが繰り返す。そしてあくびした。

「私たちは宦官じゃない」

「見たよ、あの古い帽子を被って、あの子が裏門から入ってきたの。あの人たち、私たちに知られたくないみたい」

「あの人たち?」アンジェラは言った。「あの子がでしょ」

そして笑い声。

トランプは、赤や黄色の絵柄を上にしてテーブルに散りばめられ、そこへいくつもの手が伸ばされた。良い子のバーサは、椅子に頭を寄りかからせながら、深い溜め息をついた。彼女はすぐにでも眠りたかったのに、夜は自由な放牧地であり、果てのない野原であり、そして秩序のない豊かさだったから、その暗闇の中へとトンネルを掘っていかねばならなかった。トンネルは宝石で飾り立てられねばならなかった。夜はこっそりと分かち合われ、昼は群れ全体で食い散らかされる。ブラインドは上がっていた。庭には霧が立ち込めていた。窓の近くの床に座っていると(他の子たちはカードで遊んでいるのだが)、体も心も一緒になって、風に飛ばされ、茂みを越えて漂っていくようだった。ああ、ベッドに入って体を伸ばしたい、眠りにつきたい! 眠りたいという自分の願望を、誰にも悟られていないと彼女は思っていたし、慎ましく――眠たげに――うとうとして揺れながら、他の皆は全く眠くなどないのだろうと思っていた。皆が一斉に笑ったとき、庭では寝ぼけた鳥がさえずり、まるでその笑い声が――

そう、まるでその笑い声が(彼女はうとうとしていたから)、霧のように漂い出て、やわらかくしなやかに、きれぎれになって、草木や茂みへと吸い付いて、そのために庭一面にもやが立ち込めるようだった。やがて風に吹かれ、茂みは体を曲げるようになびき、白い靄は世界中へ飛ばされていく。

女たちの眠る全ての部屋から、この靄は立ちのぼり、霧のような風合いで灌木かんぼくに吸い付き、そして気ままに広野へと吹き飛ばされていった。年配の女たちは眠っているが、目覚めればすぐに職務という象牙の杖を握り締めるだろう。女たちは今、平穏に、無色に、眠りの底に横たわり、それを取り囲んで支える若い肉体たちは、窓際に寝そべり、あるいは寄り集まって、この沸き立つ笑い声を、この無責任な笑い声を、庭へと放っている。心と体の笑い声が、規則や時間や規律を押し流してしまう。笑いはあまりにも肥沃で、しかし形を持たず、混沌として、たなびき、さまよい、きれぎれの靄と共に薔薇の茂みを飾り立てる。

ああ、と溜息をついたアンジェラは、ナイト・ガウンを着て窓際に立っていた。苦しみを含んだ声だ。彼女は窓から顔を出す。声によって分かたれたかのように、霧が二手に開かれた。他の者たちがトランプで遊んでいる間、彼女はずっと、アリス・エイヴリーと話していた。バンボロー城のこと、その砂浜が夕暮れに見せる色のこと。八月に手紙を書くから、そこに出かける日取りを決めましょう、とアリスは言い、それから屈んで、彼女にキスをした。少なくとも、手で彼女の頭に触れた。アンジェラはもはや落ち着いて座っていられず、胸の中では、吹きつける風に海が激しく荒れているかのようで、部屋の中をうろうろ歩き回り(部屋はこの場面の目撃者である)、腕を広げてこの興奮を、この驚きを鎮めようとした。てっぺんに黄金の果実をつけた奇跡の木が、信じがたいことに身を屈めてくれた、この驚きを。あの果実が、この腕の中に落ちてきたというのか? 彼女はその輝くものを抱きしめた。触れてはならず、考えてはならず、語ってはならず、ただそこで輝くままにしておくべきものを。それから、ゆっくりと靴下を脱いでそこに置き、上履きをそこに置き、ペチコートを綺麗に畳んで上に置きながら、アンジェラは、あるいはウィリアムズは、悟った。それは――どう表現したらいいのだろう――、暗闇の騒乱が余りにも長い年月続いた後に、トンネルは出口を迎え、光が射し、人生が、世界が、そこに見えたということ。彼女のもとで――全ては素晴らしきもの、全ては愛すべきもの。それが、彼女の発見したことだった。

一体どうして驚くことがあるだろう、ベッドに入ったのに眼を閉じることができないとしても――何かが頑なに眼を閉じさせないのだ――、そしてまた、薄暗い闇の中で椅子と箪笥チェストが厳かに立ち、夜明けの気配に鏡が灰色に輝いたとしても。子供のように親指を吸いながら(十一月に十九歳になったのだが)、彼女はこの素晴らしい世界に、この新しい世界に、トンネルの出口であるこの世界に、横たわっていた。しかしやがて、それを見たい、その先を行きたいという欲望に駆り立てられ、毛布を跳ねのけ、窓辺に導かれ、そこで庭を見下ろすと、霧が立ち込めて、全ての窓は開かれて、ひとつ青い炎のような何かが、遠くでささやく。それはもちろん世界だ、やってくる朝だ――、「ああ」と彼女は叫んだ、苦しみのさなかにあるかのように。


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