レスターを助け出すことへの関心をケトルウェルはほとんど失いかけていた。エヴァが子供たちを連れて出ていってからずっと彼は落ち込んだまま自分のマンションで座り込んでいたんじゃないかとレスターは思った。レスターが彼に話……スザンヌはどこでその情報を仕入れたのか言わなかったし、それを聞かないほうがいいことはレスターにもわかった……をしている間にケトルウェルはだんだんと興奮していった。レスターが話し終わった時、彼は電話に向かって唾を飛ばさんばかりだった。
「ああ、ああ、ああ。こいつはいい知らせになりそうだ」彼が言った。
「それでどうするつもりだ? 話を全部聞いて」
「ペリーは君が私に電話していることを知っているのか?」
レスターは黙り込んだ。「いいや」彼は答えた。「最近、あんまりペリーとは話をしていないんだ」
ケトルウェルがため息をつく。「なにか君ら二人のために私ができることは?」
「すまない」レスターは答えた。
「謝ることはない。元気をだせ。今、必要なのは元気なやつだ」